金欠女子大生

関東住みの女子大生。趣味を生きてる。

新幹線に乗れるということ

昔「ちはやふる」という漫画で真島太一くんが「新幹線に一人で乗れるのはなぜだ。子供の頃に新幹線に乗る体験をさせてくれて、今でも新幹線代も出してくれる親がいるからではないか」と言われるシーンがあった。

私は新幹線に乗るたびにそのことを思い出す。

東京のベッドタウンに育った私にとって電車に乗ることは生活の一部だった。両親の実家に帰るときには新幹線に乗った。中学生になったら青春18きっぷを買って一人で旅行するようになった。両親はそれに何も言わなかった。

だから私はいまでも一人でどこにでもいける。どうすれば一人で旅行できるかわかる。

でも世の中には電車より車が便利な地域で育った人もいるし、一人で旅行なんてとんでもない!という家庭で育てられた人もいる。

私が一人でどこでもいけるのは、ここにつながる経験を持っているから、というだけのことだ。そしてその経験は私が自力で勝ち取ったものではなく、たまたま生まれた環境がそういう場所だったからにすぎない。

だから、電車に慣れない人がいても、新幹線に乗れない人がいても、一人で旅行に行けない人がいても、それは私とその人の優劣ではなく、ただ偶然に今までの経験が違うという話なのだ。

だから旅行してみたいけど勇気が出ない、と友人に言われれば喜んで一緒に行く。かつて私が母からもらった思い出が今日の私に旅行させてくれるように、私との思い出がいつか友人が一人で旅立つ勇気になればいいと思うから。