金欠女子大生

関東住みの女子大生。趣味を生きてる。

【感想】BANANA FISH最終回

無理……

出かける前に最終回見たら辛すぎて、他の人の感想検索かけまくっては泣いてる…明日あにこ便の感想更新あるはずだから見なきゃ…無理……

 

というか別に鬱でもない展開でフィッシャーが落ち込んでるのを見て(もしや原作アッシュは死ぬのでは…?)と確信に近いものを持ってはいたので、アニメで同様の展開がある可能性には気がついてたんですよ

でもED後までの一連の流れでアッシュ生きてたから(ああ、アニメでは死なないのか)と安心し始めてたんですよね。ああ、よかったって。

だけどtwitterで感想見たらリアタイ組が泣き崩れてまるでアッシュとラオの間に原作通りの展開があったかごとく悲しんでるから、予感がしてED後のCMを早送りしてみたんですよ。そしたらシンと英ちゃん出てきて…!!もうそこで嘘だろ!?って。

それでアッシュが手紙受け取って、ああ、英二が大切で大切でたまらない、本当に英二に救われたからこそもう二度と会えないんだ、というのが伝わってきてグッと来て。しかも英ちゃんはそれを理解してる。だけど、アッシュの愛を理解しても、でも会いたいという自分の願いを航空券に託す。アッシュはそれを感じ取って、英二と共にある未来、英二を捨てられない、そういうどうしようもない衝動に駆られて思わず走り出す。ここでアニメは原作と違うパラレルの結末を迎えるって予想して、安心しきったところにラオが、ラオが…!!!

私はてっきり最終戦の混乱の中でアッシュとラオのことがあるんだと思ってたんです。だけど、そうじゃない、そうじゃなかったんだ。全部終わって、全ての話が収束するときにアッシュも終わるんだ。だってこれはアッシュ・リンクスの人生の話だから。

この半年間、ずっとアッシュの強いきらめきのようなものに魅せられ続けた。ゴルツィネもアッシュに執着した人は皆、アッシュのもつ不可侵性ともいうべき神聖さのようなものに取り憑かれたひとたちだったのではないだろうか。だからアッシュを屈服させることに神を犯すようなえもいわれぬ快感を覚えていた。

だけど、アッシュは本当はそうじゃなかったんだよ。アッシュは普通の人が80年かけても燃やす命をものすごい速度で燃やしていった。だから輝いた。でもそれはアッシュが人よりたくさんのエネルギーを持ってるってことではなかったんだ。だからアッシュは長くは生きられない、そういう運命だったような気がしてならない。英二のいう運命っていうのはそういうもののことなんじゃないか。

アッシュ・リンクスの神聖さは彼の境遇が生み出したもので、彼はそうありたいとは思ってなかった、特別性なんていらなかった。だから彼の特別さに惹かれる人たちに疲れていた。そして彼の周りには彼に特別であることを期待する人ばかりだった。それは英ちゃんの言葉を借りるなら彼が孤独だったということだと思う。

というか今気がついたんだけど、もしかして作中の時間軸と現実の時間軸はある程度リンクしている?もしそうだとしたら、アッシュと英二が一緒にいたのはアッシュの17年の人生のうちたった半年だったんじゃないか?17年生きてきて、普通の子供が出会うよりずっと多くの人と関わって、それでも最後の半年間だけが救いだったなんてそんなつらすぎる…。そしてそんな環境で育っても英二が自分に与えてくれたものが愛だったと理解して、それによって自分は満たされたのだと言い切れる聡明さと足るを知る心の清らかさが、アッシュ・リンクスなんだと思うと、もう本当に胸がいっぱいになる。

すごい、もう本当にすごい。これも愛の形なんだっていうのを見せつけられた。アガペーのような無償の愛でもなく、エロスのような性愛でもない。でもたしかに特別なつながりがあって、それは愛なんだ。

それを言外に描ききった原作もアニメ版脚本も本当にすごすぎてどこにお礼を言えばいいのかわからない。東西南北全てに感謝しておく

 

BANANA FISHは毎話が本当に濃くて、30分しかないのに視聴後の充足感がすごかった。最終回に至っては映画を見終わった時のような虚脱感があって、1話を思い出すと本当に遠くまで来た。

アッシュと英二の物語は終わって英二はまた別の今生きている人と物語を進めていくんだけど、それは英二のなかのアッシュがいなくなるって意味ではないんだよね。人と人が強く結ばれたとき、時間とか距離は影響を与えられない理由にならないんだ。これからどれだけ距離が離れても、英二がアッシュと関わらなかった英二に戻ることはない。

それと同じように私がBANANA FISHを見なかった私になることもない。アッシュと英二の物語を見られたことは私の一部になって私が意識してるかどうかに関わらずずっと私の中に残るんだ。そういうのを名作っていうんだ。

すごい、ほんとうにすごいなぁ。